こんにちはドリーです。
今回はガーデンレーキや熊手を使った手動で行うサッチングについて解説します。
まだサッチング(サッチを取る作業)を知らないあなたは、まずは以下の記事からご覧ください。
【サッチング】サッチの役割から除去の種類や方法までやさしく解説
手動のサッチングってどのくらい大変なの?
せっかくするなら効率的にしたいわね
初めてのサッチングで、道具選びで失敗したくないですよね?
また、道具は持っていても手動のサッチングは面倒くさいうえに体力を使うからといって、適当に作業してサッチングしたつもりになっていませんか?
適当に道具を買ってしまうとサッチを描き出すのに苦労しますよ。
それに、サッチが大量に残っていると害虫や病原菌の繁殖しやすい環境が整ってしまいますよ。
せっかくサッチングするなら、効率よくサッチを取り除きたいですよね。
私は芝生を育てて5年目になり、毎年手動のサッチングを行っています。
最初はサッチングの重要さに気づかず、適当に作業していたところ、芝生の生育がまばらだったり病害にかかったりと手間がかかっていました。
でも、正しいサッチングを行ってからは生育が安定し病害も少なくなったので、あたらめてサッチングの重要さを知りました。
そこでこの記事では、サッチング作業に用いる道具の紹介から準備作業、作業順序、サッチングが終ったあとに行う+αまでを失敗談も交えながらわかりやすく解説します。
この記事を読めば、無駄なく効率的に手動でサッチングをおこなう全てがわかるので、時間と体力を最小限に抑えながら効率のよいサッチングができるようになります。
サッチングはキレイな芝生を育てるために重要な作業の一つなので是非最後まで読んでください。
手動のサッチングをしたくない場合は、電動サッチングマシンがおススメです
実際のサッチング作業手順を見たい場合はこちらをクリック
サッチングの道具
今回のサッチングで使用する道具はコチラ
- 芝刈り機
- ガーデンレーキ(熊手)
- 手袋
- ガーデンホウキ
芝刈り機:枯れ芝を刈るために使用
今回は春の更新作業と一緒にサッチングを行うので芝刈り機も使用します。
ガーデンレーキ(熊手):サッチを掻き出す道具
これを使ってサッチングを行うので、あなたの身長にあったサイズのガーデンレーキを選んでください。
実際にホームセンターなどで手に取ってどのくらいのサイズがよいか一度試して購入しましょう。
私は伸縮できるレーキを使用していて、最初に購入するレーキはこれをおススメします。
理由は以下の2点です。
- レーキの歯の間隔を調整できるので描き出す粗さの調整が可能
- レーキ全体が伸縮式なので収納時はコンパクトに収まる
手袋:手を保護するのに使用
手動でのサッチングは、何度もガーデンレーキでサッチを掻きだすため、素手で作業すると、マメができたり、手の皮がむけたりするので、手袋で手を保護します。
軍手よりもグリップ力のあるゴムが貼ってある手袋をおススメします。
ガーデンホウキ:サッチのかき集めや、寝ている枯れ芝を立たせるために使用
サッチングの時だけではなく、日々の芝生掃除にも使用できるので、持っていると便利です。
サッチングの4ステップ
作業工程は以下の通りですが、作業を始める前には必ず準備運動を行ってください。
手作業でのサッチングは重労働のため、準備運動なしで行うと体を傷める可能性があります。
1. 雑草取り
まずは一番最初の作業、雑草取りから始めます。
雑草取りといっても次の3つのステップを行います。
ホウキがない場合でも1と3はやっておきましょう。
I. 落ち葉やごみをかき集める
まずはホウキで芝生に積もった落ち葉やゴミ、小石などをかき集めましょう。
落ち葉やゴミを取り除くことで、雑草を見つけやすくします。
また、小石などがあると、この後行う芝刈りの際に刃を傷める原因になるので、できる限り取り除いてください。
II. 枯れ芝を立たせる
落ち葉やゴミなどをかき集めると同時に、寝て(倒れて)いる枯れ芝を立たせていきましょう。
枯れ芝を立たせることにより、次の作業(低刈り)を効率的に行うことができます。
III. 雑草の除去
落ち葉が無くなり、枯れ芝が立ったら、雑草を抜いていきましょう。
雑草については細かくすべてを抜く必要はなく、目につく雑草を取っていく程度で十分です。
もちろん全ての雑草を抜くことができれば最高ですが、時間もかかりますし、次の作業(低刈り)でも刈り取られるため、雑草が目立たなくなる程度で十分です。
事前の除草剤で雑草除去
手作業で雑草を取るのが面倒な場合、事前に除草剤を使って雑草を枯らしておくのも時間の節約になります。
ここで注意するのは必ず芝生用の除草剤を選んでください。
芝生用以外の除草剤を使ってしまうと芝生ごと刈れてしまいます。
除草剤については、雑草が生える前の予防の役割の除草剤と生えてしまった雑草を枯らす目的の除草剤があるので購入時には注意してください。
【予防効果のある除草剤(雑草発生前から発生初期まで)】
■効果のある雑草例:メヒシバ、スズメノカタビラ、エノコログザ、カタバミ、スギナ
【枯らす目的の除草剤(雑草発生後に使用)】
■効果のある雑草例:コニシキソウ、シロザ、オオイヌノフグリ、スギナ
■効果のある雑草例:メヒシバ、スズメノカタビラ、クローバー、カタバミ、スギナ
2. 低い刈り高での芝刈り
芝生の上に余計なものが無くなったら、芝刈り機の一番低い刈り高の設定で枯れ芝を刈っていきましょう。
今回のサッチングの目的は、春の更新作業として新芽を芽吹きやすくすることが目的のため、去年の枯れ芝や溜まったサッチをできる限り取り除きます。
そのためサッチングを行いやすいよう、先に不要な枯れ芝を刈っていきます。
この低刈りを行うことで枯れ芝の芝丈が短くなり、サッチとの絡まりが弱くなるため、サッチを掻き出しやすい環境になります。
低く刈る前の芝生の様子がこちら
サッチがビッシリ溜まっています。
この状態で芝刈り機の一番低い設定で買っていくと、キャッチャー一杯に枯れ芝が刈れます。
3. サッチング
低刈りが終わると、いよいよ本格的なサッチングを行っていきましょう。
サッチング自体はそれほど難しいものではなく、ガーデンレーキを使ってホウキで芝生を掃くように掻いていくだけです。
最初はあまりサッチが出てきませんが、芝生をほぐすようにやさしく何度も掻いていくと、そのうち徐々にサッチが浮き出てきます。
力を入れてガリガリ掻くと、芝生を傷める場合があるので、あまり力を入れず、1度にサッチを出そうとせず、ほぐすように、何度も描き出すことを心がけましょう。
力を入れて作業すると、本人も疲れてしまいますので、ある程度力を抜くように掻いてください。
力を入れないよう作業する1つの方法として、正座をしながら掻き出してみるのもいいと思います。
1つの庭でも場所によって芝生の生育が違うため、サッチの溜まる量も違います。
全て同じ要領でサッチングするのではなく、生育の悪い部分は特にゆるくサッチングを行ってください。
もし、これを見て手動でのサッチングをしたくないと思った場合は、電動のサッチングマシンもあるので検討してみてください。
ストライプ芝
サッチングにムラがあると、生育期の芝生の成長も変わってきます。
サッチングをしっかりした箇所と甘くサッチングした箇所があると、生育期に上の写真のように芝生がストライプになる場合があります。
写真のようにサッチを溜めながらサッチングしていたため、気づかずにムラができたようです。
こうならないよう、縦だけではなく、横にも斜めにも全体的にサッチングを行いましょう。
ピーク芝の時期にはストライプは目立たなくなったよ
ランナーの飛び出し
サッチングをしていると茎のようなものが飛び出してきます。
これは通称ランナーと呼ばれるもので匍匐経(ほふくけい)です。
ランナーは芝生の茎で、横に広がる際にこのランナーを伸ばして成長します。
サッチングはサッチを掻き出すと同時に、このランナーも引っ掛けるため、少なからずランナーが掻き出されてしまいます。
掻き出されたランナーはまだ生きているため、先っちょを土に入れて戻してあげましょう。
そこからまた根を伸ばし成長していきます。
4. 再度低い刈り高での芝刈り
サッチングが完了できた段階で再度、一番低い刈り高で芝生を刈ります。
これはサッチングでサッチが取り除かれたことにより、サッチ層の分だけ芝丈が高くなってるため、そこを刈りこんでいきます。
サッチング前とサッチング後の比較が次の写真です
サッチング前はサッチがびっしり詰まり白い印象全体が白い印象ですが、サッチング後はサッチが取り除かれ土が見えるため黒い印象になっています。
実際に除去できたサッチの量
今回、春の更新作業で出た枯れ芝とサッチの量が上記の写真です。
私の庭(35㎡:約大型バス1台分)の広さで約3時間作業して、45リットルのごみ袋2袋くらいの量を掻き出しました。
サッチアート
サッチが大量に取れたので作ってみました。
サッチングの後は目土入れと追肥
サッチが無くなることで、今まであった保水性や保温性が低下するため、それを補うよう目土を入れます。
また、春の芽吹きを助けるため、このタイミングで肥料も与えてあげましょう。
目土入れと不陸補正(ふろくほせい)
サッチには冬の間、厳しい寒さから芝生を守る役割と、保水によって乾燥を防ぐ役割がありますが、サッチングによってその機能が取り除かれてしまいます。
目土入れはその失われた保温性、保水性を補うために行います。
また、サッチが取り除かれた事で地面の凹凸がわかりやすくなります。
凹凸があることで芝刈り時の刈りムラが発生したり、軸刈りの原因にもなるため、サッチングのタイミングで地面の凹凸も無くしていきましょう。
この地面の凹凸を無くす作業のことを不陸補正(ふろくほせい)といいます。
「軸刈り」ついては、後で記事にしますのでしばらくお待ちください。
1回に大きな不陸補正はしない
大きな凹み部分の場合は1回で直そうとせずに、数回に分けて不陸補正を行ってください。
芝生が完全に隠れるくらい目土を入れてしまうと、光合成ができず成長が止まってしまいます。
そのため、芝生が完全に隠れない程度に目土を入れて、成長したらまた目土を入れるというように、少しずつ数回に分けて補正していってください。
追肥
今までサッチに邪魔されて肥料成分が土に届きにくい状態でしたが、サッチが無くなったことで肥料成分を十分に土に与えることができます。
また、春の更新作業のタイミングで追肥を行うことで、芽吹きを後押しすることができます。
私はサッチ分解剤入りの肥料を散布することで残ったサッチも分解してもらいます。
肥料は雑草にも栄養を与えるので、雑草も一緒に育っちゃうから注意してね
サッチング道具のおススメ紹介
サッチングを行うにあたって、いくつかおススメの商品を紹介しますので参考にしてください。
「手動のサッチング」のまとめ
今回は春の更新作業の一つとして手動によるサッチングを解説しました。
手動でのサッチングは芝生を育てるうえで最もやりたくない作業の一つですが、この作業のでき次第でピーク芝の出来が大きく変わってきます。
年に1~2回程度、あなたの芝生の状態を見ながらサッチングを行いましょう。
ここまで読んで、面倒くさいと感じた場合は業者に頼んでやってもらうこともできるので、検討してみてください。
サッチについて詳しく知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
芝生の肥料「スーパーグリーンフード」について詳しく知りたい場合は以下の記事をご覧ください。