こんにちはドリーです。
今回は芝生のエアレーションについて解説します。
エアレーションってどんなことするの?
エアレーションってなんで必要なの
毎日芝生の上を歩いて、芝生の土が固くなっていませんか?
まさか2シーズン以上芝生を育てているのに、エアレーションしていないんですか?
なにもせずに放っておくと、土がさらに固くなって根が張りづらくなり、芝生が生長しない環境になってしまいますよ。
私は芝生を育てて5年目で、毎年エアレーションを行っています
実は私も面倒くさがってエアレーションをせずに過ごしていたら、明らかに芝生の生長が悪いシーズンがあったんです。
当時はエアレーションを行っていなかったため、シーズン途中からエアレーションを行い、なんとかシーズン後半には緑を取り戻すことができました。
その経験を踏まえ、今では定期的にエアレーションを行って、芝生が生長しやすい環境を整えています。
そこでこの記事では、道具別のエアレーション方法、注意点、必要性を解説しています。
この記事を読めば、各エアレーションの特徴を解説しているので、根への負担や土の入れ替えなど、目的に合わせたエアレーションがわかり、芝生の生長を促進させることができます。
手軽に始めるにはガーデンスパイクがオススメ
エアレーションの種類
ここでは代表的な以下の4つのエアレーションについて解説します。
ガーデンスパイクによる「スパイキング」
一番手軽にエアレーションを行いたい場合にオススメな、ガーデンスパイクを使ったスパイキングを紹介します。
スパイキングの特徴
スパイキングは、釘のようなスパイクがたくさんついた履物で芝生の上を歩きながら、小さな穴をあけていきます。
芝生の上を歩くだけですが、芝生(土)が乾いていると、スパイクが入りにくい場合があるので、雨の後や散水が十分された後に作業することをオススメします。
スパイキングでのエアレーションは他の道具に比べ
- 穴の大きさは小さい
- 深さが少ない
のでエアレーションの効果は劣ります。
また、小さい穴をたくさんあけていくだけなので、土の入れ替えや根切り効果はありません。
しかしその分、根への負担は少ないです。
装着方法と使用方法
ガーデンスパイクは後に紹介するローンスパイク、ターフカッター、ローンパンチと違い、靴に装着して使用します。
装着方法は簡単で、使用する靴にベルトを通して締めるだけです。
この時足首までない靴は、ベルトが足首にあたり肌を傷める場合がありますので、長靴やブーツなど足首までカバーできる靴を使用してください。
使用方法も簡単で、とにかく芝生の上を歩くだけです。
ポイントとしては垂直に刃が入るように押し込み、垂直に抜くように足をあげることで足への負担が減ります。
ローンスパイクによる「根切り」
根切りを行いたい場合にオススメな、ローンスパイクを使った根切りを紹介します。
ローンスパイクの特徴
ローンスパイクはガーデンスパイクと違い、ハンドル部を持ちステップ部分に足をかけ、体重にて刃を芝生に押し込むことで穴を開けたり、根を切る道具です。
穴を開け、根を切ることで
- 空気や水、肥料の通りをよくする
- あえてストレスを与え、芝生に活力を与える
ことができます。
また、 芝生の老化防止のためにも大切な作業で、古い根を切ることで芝生が若返ります。
ただし、細かく根を切るだけなので、土の入れ替え効果はありません。
使用方法
後に解説するローンパンチと同じくステップに足をかけ、一踏み一踏みしっかりと体重をかけて、刃を土の奥まで押し込みます。
押し込むときは地面に垂直に押し込むように注意しましょう。
エアレーションの効果を高めたい場合は、穴の間隔を短くしてください。
前に進みながら作業を行う場合は、目標物に向かって進むことで、曲がらずに進むことができます。
後ろに進みながら作業する場合は、直前に開けた穴を確認できるので、間隔に穴を開けることができます。
ターフカッターによる「スライシング」
根を活性化させたい場合にオススメな、ターフカッターを使ったスライシングを紹介します。
ターフカッターの特徴
ターフカッターは半円状の刃が付いているのが特徴で、刃の背の部分に足をかけ、体重にて刃を芝生に押し込み、エッジ(キワ)の処理などやスライシングなどを行う道具です。
また、芝生を一部分だけを切り取り、移植する際にも活躍します。
スライシングとは、芝生をスライス(切る作業を)し、切れ込みを入れることで古い根を切り、新しい根を生長させる手助けをする作業のことです。
スライシングを行うことで、
- 新しい根の生長
- 土壌の排水性の改善
- 土壌の通気性の向上
を行うことができます。
今回紹介する道具の中で一番根切り効果がありますが、土の入れ替え効果はありません。
使用方法
ターフカッターの基本的な使い方は
- 取っ手の部分を持つ
- 刃の背に両足を乗せ、体重をかけて刃を芝生に押し込む
切れ目が入ったら刃を抜き、横に移動させて、また1、2の作業を行います。
文字通り芝生をスライスしていくため、一本の切れ込みができます。
基本的には縦もしくは横の一方向に何本もスライシングし、切れ目の幅は30~50cm程度空けてください。
ローンパンチによる「コアリング」
土の入れ替えを行いたい場合にオススメな、ローンパンチを使ったコアリングを紹介します。
ローンパンチの特徴
ローンパンチは筒状になった刃が特徴で、ステップ部に足をかけ、体重にて刃を芝生に押し込むことで、固くなった土(コア)を筒状に抜きとる道具です。
土(コア)を抜き取る作業のことをコアリングと言います。
コアリングを行うことで固くなった土を抜き取ることができ、空いた穴に新しく目土や目砂を入れることで、土を入れ替え、土壌改善を行うことができます。
今まで紹介した、根切りやスライシングでは、根の活性化や通気性、排水性を向上させることはできますが、土の入れ替えはできません。
ローンパンチは今回紹介する道具の中で唯一、土の入れ作業ができる作業です。
使用方法
先に解説したローンスパイクと同じくステップに足をかけ、一踏み一踏みしっかりと体重をかけて、筒状の刃を土の奥まで押し込みます。
ローンスパイクを抜くと、土も一緒に抜けてきますので、そのまま次の位置にローンスパイクを押し込んでいきましょう。
コアリングの間隔は10~20cm程度でよいです。
抜き取られた土は筒に入ったままですが、新たにローンスパイクを芝生に押し込むことで、新たな土に押し出されて前の穴の土が押し出されます。(ロケット鉛筆のイメージです)
抜き取られたコアは芝生の上に散乱するのでトンボやホウキなどを使って回収しましょう。
コアリングによってできた穴には、新しい目土や目砂を入れて、土の入れ替えを行ってください。
根の乾燥を防ぐためにもコアリングの翌日までには目土や目砂を入れるよう注意しましょう。
エアレーションの注意点
エアレーションは張りたての芝生では行わないでください。
根が成長していない芝生にエアレーションを行うと芝生がはがれる場合があります。
そのため芝生を張って1年目のシーズンはエアレーションを行う必要はありません。
2年目以降のシーズンであっても、日があたりづらく、根が張りづらい部分にエアレーションする場合は注意してください。
芝生と共に木を植えている場合は、木の根を傷つける可能性があるので、木の周りのエアレーションは避けましょう。
エアレーション直後は芝生の根が弱っているため、穴の周りが少し枯れる場合があります。
そのため、除草剤などの使用は1週間以上間を開けて使用してください。
枯れた部分も1~2週間程度で緑が戻ってくるので問題ありません。
エアレーションは芝生管理の中でも重労働に部類に入る作業ですので作業前には必ず準備運動を行い体をほぐしてから行ってください。
また、ステップに足をかけて作業するため、靴の底(土踏まず)が硬い靴で作業を行いましょう。
靴底が柔らかいと足が痛くなります。
私は鉄板入りの安全長靴を履いています
エアレーションは、無計画に行ってしまうとどんどん作業を行ってしまうため、最初にどのくらいの範囲で、どのくらい行うか時間を決めてから作業を始めるとよいでしょう。
エアレーションを行った後は乾燥を防ぐためにたっぷりと散水を行ってください。
またコアリング以外でもあけた穴が大きい場合は、目土や目砂などを入れ、根に紫外線が当たらないよう注意してください。
エアレーションを行っていると、抵抗なく土に入っていくエリアと抵抗が大きくなかなか土に入って行かないエリアがわかります。
抵抗が大きく作業が行いづらいエリアは踏圧などで踏み固められているため、念入りにエアレーションを行い土をほぐすか、土壌改良資材を使って土壌改良することをオススメします。
エアレーションが必要な理由
エアレーションは、いままで説明してきたように、地面に穴を空けることでキレイな芝生を維持するために必要な管理方法の1つです。
芝生は畑と違って耕すことができません。
そのため、何もしなければ根が窒息してしまいます。
長年の踏圧で土が固くなる
↓
通気性や排水性が悪くなる
↓
根が窒息状態になっていきます
また、通気性や排水性が悪いことで、病気や害虫の原因にもなります。
そこで、エアレーションを行うことにより、固くなった土をほぐし、根に空気と水を行き渡らせてあげましょう。
窒息している芝生の根に水と空気を送り込む
↓
芝生が活性化する
↓
微生物の活動も活発になる
↓
サッチや古い根の分解促進につながります。
通気性や排水性を向上させることにより病気にもかかりづらい環境を整えると共に、芝生の根を切ることにより刺激を与え、活性させることで根を元気に育てることができます。
エアレーションのよくある質問
芝生のエアレーションに関するよくある質問をまとめました。
作業する時期はいつ頃がよい?
春と秋がよいでしょう。
気温が高い夏の時期と芝生が生長しない冬の時期は芝生が傷んでしまいますので避けましょう。
どのくらいの頻度で行えばよい?
理想の頻度は1~2ヶ月に1回程度ですが、芝生の様子を見ながら行ってください。
また、寒くなる休眠期は不要です。
100均の道具で作業はできる?
狭い範囲であれば可能です。
例えば
- ドライバーや千枚通しを使ったスパイキング
- スコップなどを使い簡易的なスライシング
はできますが、広い範囲で行う場合には専門的な道具が必要になります。
作業の後に肥料散布してもよい?
よいです。
エアレーション後は土がほぐれ、根に空気も水も届きやすくなっているため、肥料も届きやすいです。
エアレーションのまとめ
エアレーションは長年芝生を育てていくには必要な作業です。
芝生は一度張ってしまうと土の入れ替えを行うことができないため、長年の踏圧によって土が固く締まり、根に水や空気が届きづらい環境になってしまいます。
そのため、エアレーションにて
- 根に空気や水を行き渡らせやすい環境づくり
- 根に刺激を与えることで活性化
- 土を毎年少しずつ入れ替えながら土壌改良
を行う必要があります。
しかし、張りたての芝生や日陰などの根がしっかりと育っていない場所は、芝生がはがれる場合があるため、エアレーションの必要はありません。
また、植樹してある根の周りも誤って傷つける場合があるので避けることをオススメします。
エアレーションは芝生管理の中でも重労働の1つではありますが、元気な芝生にするため、芝生の様子を見ながら1~2か月に1度行うようにしましょう
最後まで読んでいただきありがとうございました。